私が高校を卒業するころには「とうちゃんかあちゃんの芹工務店」にも少しずつ社員さんが増えました。
当時の芹工務店は今と違い、設計事務所からの物件を工事する施工専門の会社でした。また中規模ゼネコンの下請けとして施工も請け負っておりました。それでも、ある一定量の仕事はあったので、なんとかかんとか私も大学へ行かせてもらえることになりました。
先ほども話した通り文系を選択していたので、大学も建築とは全く畑違いの商学部へ入学しました。大学で学んだことで、今の仕事にも生かされていることは損益計算書と貸借対照表が読めることくらいです。
そして就職活動の準備を始める3年の終わり頃を皮切りに、常務からの電話が増えました。
ある日は泣きながら、またある日は怒りながら私に愚痴を言うだけです。
詳しくは聞きませんでしたが、会社がうまく行っていないことは容易に想像がつきました。
後で聞いた話ですが、当時下請け工事をしていたのですが、元請からの支払いが滞ったそうです。その会社は直後倒産しました。それでも芹工務店は業者さんに支払いをしなければなりません。会長も常務も金策に走り、何とか業者さんへ支払いをしたそうです。
代表取締役社長の芹澤素臣です。
この30年間私が見てきた芹工務店のお話をさせてください。
少し長くなりますが、ご容赦願います。