株式会社芹工務店
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リフォーム日記 2015.09.24

シロアリ発生!!

アフター部の芹澤です。

今回は、築30年くらいの建物を4年前に住宅用に全面改修させていただいたお宅です。
4年経過した今年の6月に1階トイレ奥の外に面した壁隅の小さなすき間からシロアリが出てきたと、お施主様から連絡がありました。
建物は鉄骨2階建で、外壁はALC(軽量気泡コンクリート)・壁床天井の下地は木製です。
床下の土間は建築当初の30年前からコンクリート基礎の上に全面コンクリート床盤で地面とは完全に縁切りしてあります。
被害状況ならびに侵入箇所の確認と、対策を検討をするため現場調査を行いました。

まず、トイレ内の便器を外してシロアリが出てきた隅の周辺床、壁を剥がして被害状況を確認しました。
シロアリが出てきたすき間附近の間柱と床下地の根太に食害(シロアリに食われた跡)がありました。

写真1so.jpg
↑中央に縦に写っている材木が食害にあっています。

写真2so.jpg
↑材木を切り取った写真です。

次にシロアリが何処から侵入したのかを確認するため、蟻道をさがします。
蟻道とは、シロアリが土や糞を自分の唾液でこねて作り出すトンネルです。
シロアリは地中に棲息するため、地中からどこを通って出てくるのかを探す手がかりになるのが蟻道です。
地中で棲息するシロアリは体が弱く乾燥や光を嫌い自分の体を守るために、必ず地中から餌(木材)までの道中で蟻道を作ります。
蟻道を見つけることはシロアリ発見のヒントになります。
蟻道をたどって地中から出てくる場所を塞げばシロアリは出てこられなくなります。
蟻道の出発点は地下と接する箇所にあるため基礎コンクリート立上がりと土間コンクリートの打継ぎ箇所のすき間をさがしました。
基礎コンクリート面には断熱用にアイシネンが吹付けてあるので、アイシネンを取らなければコンクリートの打継箇所は見えません。
アイシネンを取ってしまうと蟻道も取れてしまうのでコンクリート面についた蟻道の痕跡をさがします。

写真3 加工後so.jpg

写真4so.jpg
グレーのコンクリート面に見える黒っぽい筋が蟻道です。

黒っぽい筋が土間コンクリートと接する部分に伸びているところで打継ぎのスキマをさがします。
すると、ほんの小さな打継ぎのスキマ状の穴が見つかりました。
普通に見ていたのでは見つからないような小さな穴です。
トイレ奥の壁で発見した蟻道以外には蟻道も被害も無かったので、発見した蟻道周辺の防蟻処理(消毒)をして、出口をコーキングなどで塞ぎました。

写真5so.jpg

写真6so.jpg

その後床、壁の復旧と便器をつけ直して完了しました。

写真7so.jpg

写真8so.jpg

シロアリは日本中ほとんどの地中に棲息しています。
ひとつのコロニーのテリトリーはせいぜい半径3メートル程度ですが、
住宅一軒分の基礎下には4~5組程度のコロニーがあるそうです。
何かの刺激で活動が活発になったりすることもあるようです。
いつ、被害に合うかわかりません。
今回のこの建物も築30年経ってはじめての被害です。
防蟻処理(消毒)は必ず施工しましょう。


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