芹澤 覚|会長 2014.08.09
いよいよ、床暖房の話です
データーによりますと、新築分譲マンションの9割、新築住宅の5割弱が床暖房を設置しているそうです。
床暖房が導入される住宅の平均的な床暖房導入費用は40~70万円だそうです。
そもそも、皆さんは床暖房を勘違いしているところがあるようです。
ホットカーペットの様に足裏が暖かいのが床暖房だと考えている様子が伺えますが
床暖房の基本的な考え方は、「居室の70%あまりに床暖房を敷設して、その部屋全体の空気を温める。」というものです。
ですから、
「床暖房を導入するにあたり予算がないから半分でいいよ。」
「ソファに座った足元だけ敷設してよ。」
などというのは大間違いなのです。
部屋の体積に対してどのくらいの広さの床暖房が必要なのかは計算で決まっているのです。
それだけの敷設をしなければ意味が無いのです。
と、話が脱線してしまいました。
前回は「なぜ日本の住宅の床は冷たいのか?」という話をしましたが
床の冷たさを解消すれば、わざわざ高い費用で床暖房を導入しなくても暖かい家になるわけです。
その為には前回に上げた「床が冷たい理由」を解消すれば良いわけです。
以下が「床が冷たい理由」です。
① 「窓の性能が悪いから。」
② 「住宅の気密性能」
③ 「合板フローリング」
④ 「床下の通気が床を冷やす」
「窓の性能」については 以前にもブログで書いたと思いますが
そもそも、日本では国の基準からして程度が低いのです。
欧州やアメリカ、カナダどころか韓国、中国よりもゆるいのです。
ですから、国産の窓は韓国や中国の基準にさえ合格しないものしかなかったのです。
国もヤット動き出して、世界各国並みに基準を上げる方向に指針が出されました。
現在、一般に売れているアルミ枠で単なるペアガラスの熱貫流率(U値)が4.65W/㎡KのものをU値1.7W/㎡Kの性能の窓にグレードアップすれば窓問題は解決します。
費用も30万円ほどのの追加で済みます。
芹工務店で標準としている窓はペアガラスに遮熱フィルムを貼ったものを採用して
U値2.33W/㎡Kにあげてあるのですが、今までは市販に流通する入手しやすいものは
この程度が限界でしたが、U値2.0W/㎡Kを切るものが出回ってきて芹工務店も標準をそちらに切り替えるよう準備中です。
近々には発表します。
「住宅の気密性能」については芹工務店はとっくに「高断熱・高気密住宅」に特化していて
芹工務店の建物ではすでに解決済みです。
「高断熱・高気密住宅」にして床下を室内と同じ環境にすることで
「床下の通気が床を冷やす」問題も解決されます。
そうそう、言い忘れるところでした。
最初の「窓の性能が悪いと床が冷たくなる」の解消には「高断熱・高気密住宅」が必須の条件ですよ。
いくら窓の性能を上げても、そもそも断熱性能も気密性能も悪ければ床は何時までたっても冷たいままです。
暖かい空気はドンドン上に抜けて、冷たい空気が下からガンガン入ってくるわけですからね。
「合板フローリング」については、合板フローリングからリーズナブルなムクフローリングにアップグレードする費用は15~20万円です。
ですが、この対費用効果は大きいです。
合板フローリングはベニヤ板の上に紙やビニルクロス並みの素材に木目プリントしたものを表面貼りしてその上に樹脂塗料を塗っているのですから傷になれば下地のベニヤが出てきますし、使用頻度が激しいと表面が剥げてきます。
また、10年以上経つと早いものはベニヤが湿気を吸ったりしてブカブカになってきます。
ムクフローリングは厚み全部、裏まで同じ素材で一生使えます。
深い傷になっても部分補修が簡単です。
以上のアッップグレードにかかる費用は全部で50万円程度です。
床暖房を敷設する費用よりも安いのではないでしょうか。
なにより、床暖房にかかるランニングコストが必要なくなるわけです。
「高断熱・高気密住宅」にしてパワーにゆとりのあるエアコンで家全体が夏冬、快適空間になるわけです。
イニシャルもランニングも床暖房より安くなります。
ぜひご相談くださいね。
ただし、足裏が温かいという魅力も捨てがたいのですがね。
快適シリーズは今回で一段落です。
ありがとうございました。
次は「構造のこだわり」のシリーズを企画しています。
お楽しみにお待ちください。