芹澤 覚|会長 2014.07.31
通気層についてお話しましょう。
通気層とは外壁の仕上げ壁の内側の構造材の外側に作る15~20ミリ程度のスキマのことです。
以前は、柱のすぐ外側に直接、防水紙を貼ってサイデングや板金の外壁仕上げ材を貼ったり
アラシを貼ってその上に防水紙を貼り左官壁を塗りあげたりしていました。
つまり、外壁仕上げ壁から雨水などが侵入すれば柱などの構造材がすぐに濡れてしまっていたのです。
「通気層」といは、外壁仕上げ材を透過した水蒸気が柱などの構造材をカビさせたり腐らせたりしないための空気層のことです。
地面に近い基礎上から外壁仕上げ材の内側に空気が入りから屋根瓦の下を通って棟から空気が抜けて、外壁や屋根の内側に湿気をこもらせないという意味から「通気層」という名前を付けたのだと思いますが、私としては外壁を仕上げ壁と構造壁の二重にすることで雨漏り対策となることのほうが有意義だと考えています。
そして、二重壁にすることで夏の日射による温度上昇や冬の冷たさの影響を和らげる効果もあると考えています。
温度変化を和らげることで通気層内の湿度の変化も少なくなると考えます。
そのことは壁体内への水蒸気の出入りも少なくなることになると思います。
つまり、「通気層」は漏水対策と結露対策にはかなり有効な工法です。