株式会社芹工務店
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芹澤 覚|会長 2014.07.25

快適シリーズ 12  住宅の結露1

前号は湿度がどういうものかを説明しましたね。

今回は、その続きとなる結露についてお話しましょう。

 

結露のメカニズムは単純です。

「暖かく湿った空気が冷えると結露が発生する。」

コレだけです。

 

空気は温度によって、保持できる水蒸気の量が変わります。

コレを飽和水分量と言います。

そして飽和水分量に対してどれだけの水分を空気が保持しているかを示すのが湿度です。

湿度100%は飽和水分点に達したということになります。

 

空気は温度が高いほど多くの水分を含むことが出来ます。

前号の飽和水蒸気量の表を参照して下さい。

 

冬に、エアコンやストーブで暖められた25℃の室内の空気が対流して窓ガラスに当たるとします。

マドガラスは外気に接して冷え切って0℃前後になっています。

窓ガラスにあたった温かい室内の空気はガラス面の温度近くまで下がり、温度の下がった空気は飽和水分点以上の水分を吐き出して、それがガラス面に結露して水滴となるわけです。

 

冷たい窓ガラスに息を吹きかけると白く曇りますが、これは暖かい息が冷たいガラスに当って冷えて、息の中の水分が結露して細かな水滴になっているわけです。

夏場に、氷の入った冷たいジュースのグラスの表面も同じ原理です。

夏の暑く湿度の高い空気が冷えたガラス面で結露するのです。

 

窓ガラスや壁の表面にできる結露を「表面結露」といいます。

壁の表面が結露して湿った状態が続くとクロスの裏側のノリや、日上生活でクロス表面に付着する人間の油分などの色々な栄養が原因となってカビが発生します。

 

壁の内部に入り込んだ空気が結露するのを「壁体内結露(内部結露)」といいます。

壁の中が常に結露した状態になると、柱などの材木にカビが生えたり、腐朽したりする原因となります。

怖いのは「壁体内結露(内部結露)」です。

「壁体内結露(内部結露)」は日常的には見えないので症状が進まなければわからないことが多いのです。

 

機密性の低いスキマの多い建物では

家の外と中を勝手に空気(含まれている水蒸気とともに)が行き来します。

壁体内も同じことです。

 

湿気を含んだ空気が壁体内に入ると壁体内のグラスウールなどに絡まって

壁体内にとどまり、外壁下地の合板や柱、間柱などに結露して長い間に腐らせる事になります。

 

もう少し細かい説明は次の回にいたしましょう。

 

 

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