株式会社芹工務店
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芹澤 覚|会長 2014.07.22

快適シリーズ 10 現場発泡断熱材(アイシネン)

高断熱、高気密を提案するに際して、私たちが探し当てた断熱材は、現場で吹付け発泡する断熱材「アイシネン」です。

 

アイシネンはポリオールとイソシアネートという化学合成材料を調合して水との反応によって100倍に空気発泡させる完全水発泡素材です。

発泡すると99%の空気と1%の素材からなるアイシネンフォームになります。

 

ポリオールとイソシアネートという化学合成材料を調合するという点では発泡ウレタンとまったく同じですが化合した後は科学的に安定していてそれ以後の科学変化を起こしませんし、自己燃焼性もありません。

ですから火を近づけても焦げるだけで一般的なウレタンの様に黒煙を発して自分で燃え出すこともありません。

 

一般の硬質発泡ウレタンの空隙は空気より熱伝導率の低い特殊なガスを封入することで断熱性能を上げているのですが長い年月の間に特殊なガスは抜けてゆき断熱性能が低下しますし、抜け出た特殊なガスは環境汚染も引き起こします。

 

「アイシネン」は安全性が確かでない特殊なガスは止めて、空気を内包する発泡断熱材です。

オゾン層破壊や地球温暖化の要因となるフロン系ガスは一切使用しておりません。

ですから、断熱性能の低下も起こしませんし、環境汚染も起こしません。

 

断熱性能の目安となる熱伝導率は0.035W/m・Kです。

これは高性能グラスウール16Kに相当しますし、セルロースやロックウールなどの断熱材と同程度の熱伝導率を持つ一般的な断熱性能です。

 

現場発泡断熱材では硬質発泡ウレタンで20倍発泡程度の独立気泡のものもあります。

硬質発泡ウレタンはフロン、代替フロンなどの特殊ガスを気泡内に内臓することで熱伝導率が0.02W/m・Kと高性能なのですが、その分、高価です。

 

前述しましたが、フロン、代替フロンなどの特殊ガスを使うことは、どうしても納得できませんから、当社では、空気を内包する「アイシネン」を採用したのです。

トータルで次世代省エネ基準のⅡ地域の1.9W/2Kをクリアする仕様にすれば次世代省エネ基準Ⅳ地域(2.7W/2K)の沼津では十分だと思います。

 

むしろ、断熱性を高くしたいのであれば、開口部のサッシを高断熱のものにするほうが効果的です。

 

「アイシネン」の通気性はコア発泡体の通気率が75paの圧力で82mm厚さの通過量が0.0080リットル/s-㎡です。

これは気密性の高さをしめすものです。

 

断熱に関する話題の時に外壁での壁体内の通気が特に話題にされますが

それは大多数の断熱材の気密性が低いからです。

気密性が低いと「快適シリーズ8高断熱高気密住宅の作り方1」でも書いたように

壁体内で結露を起こす原因になります。

 

しかし、アイシネンは上記の数値でも示す通り(でも、素人はコンナ数字を見てもわかりませんよね。私もこの数値がどの程度のものなのか理解できていません。)気密性が高いので壁体内の湿気対策は考える必要がありません。

試しにアイシネンの断片をボウルに水を張って浮かべてみても沈みません。

他の現場発泡断熱材はすぐに水を吸って沈んでしまいます。

 

断熱方法も外断熱、充填断熱などと色々な工法でさわがれていますが、施工精度さえシッカリしていれば、工法に差はありません。

むしろ、いかに精度の高い工事をするかが問題となります。

 

充填断熱の欠点はスキマを埋められないとの指摘がありますが、「アイシネン」は現場の壁や床下、天井に直接スプレーで吹付けて100倍に発泡させるので高い気密性を発揮します。

当社が「アイシネン」に着目した理由のひとつがこの100倍発泡です。

基材となる化学合成物質が無害を実証されているとは言え、出来るだけ化学合成物質の割合が少ないほうが良いと考えたのです。

 

また、100倍発泡することで同じ体積の中に低熱伝導率である空気をより多く内包することが出来るので、断熱性も高いものが期待できるのです。

 

配線や配管などの気密の確保が難しいとされる場所や形状も難なく隙間を埋めて密閉します。

「アイシネン」は薄幕が部分的に連続していることで、透湿性と疎水性をもち、湿気を排出する特性をもっていますので経年とともに重くなって沈下することもありませんし、断熱材内部の結露を防ぐので、カビやダニの発生がなくアレルギーを引きおこす要因を防ぐことができます。

 

シックハウスの要因となるホルムアルデヒドを一切含まない安全な素材です。

たくさんの空気を断熱材のなかに含んでいるので遮音性・吸音性にも富んでいます。

また、アイシネンは自己消化性があるので高温にさらされても燃え出すことがなく燃焼を助長することがありません。

断熱性能・気密性能の高さ、作業性のよさ、無害といった特徴から芹工務店は断熱材として「アイシネン」を採用することにいたしました。

 

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