芹澤 覚|会長 2014.03.19
2013年の長野県での山岳遭難者数が
4年前の2009年の倍近くになっています。
年々、2割位ずつ増えているそうです。
2012年に279人の遭難者数が2013年には328人となりました。
死者・行方不明は50人が74人になっています。
2013年の遭難者の内訳は
39歳以下が64人に対して40歳以上が224人です。
分け方を変えると50歳代以下が183人に対して60歳以上が145人です。
60歳代だけで101人です。
死者も30歳代が7人なのに60歳代だけで22人もいます。
朝日新聞の記事ですが、本文中には
若い人の体力と年寄りの体力の差が大きく影響していると書いてあります。
年令による遭難者数の差はその通りだと思います。
私自身も体力の衰えをすごく感じます。
見学会で2日間、お客様と対応した後の疲労感は半端無いです。
そして、風邪を引いた時の回復の遅さにも我ながらガッカリします。
遭難の話に戻りますが、年寄りの登山者数が増えているのも原因だと思われます。
年寄りは自分の体力を過信しているようです。
そして、登山に対しても安易に考えているのだと思います。
夏山でも、下界は30℃を超えるのに3000メートルの山の上は朝晩は0℃前後です。
晴れていればいいのですが天候が崩れれば雨や雪で急に冷え込みます。
まして、雪山はとんでもない過酷な状況だと思われます。
私も大学の頃から30歳台前半まで、友達と夏山の縦走を年に一度やっていましたが
着替えと僅かな食料のみの入ったリュックだけで山小屋に泊まる2泊~3泊の
軟弱登山でした。
それでもリーダーには登ったら下りきるまでは自分の責任で登れと言われてきました。
10年チョットの間で2回、途中で帰ってきました。
1回は天候、1回はグループ内で体調不良が出て引き返しました。
今の登山の傾向は登るだけ登って
「疲れたから救助お願い」と携帯電話で救助隊に連絡が来るそうです。
救急車をタクシー代わりに使うという話が有りましたが
同じ程度の感覚なのでしょうね。
今の人達は仕事でも遊びでも
事前の予備知識の収集などの準備が足りない気がします。
それは若者だけでなく私の同年配の者にも感じます。
どこかのコンサル会社からのDMで
「きれいさちこ」と言う言葉がありました。
仕事に着手する前にやっておくことの頭文字を並べた言葉だそうです。
き・・訊いておくことはないか?
れ・・連絡しておくことはないか?
い・・依頼することはないか?
さ・・作業することはないか?
ち・・調査しておくことはないか?
こ・・交渉しておくことはないか?
遭難者の話からそれてしまいましたが
大事なことだと思います。