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芹澤 覚|会長 2013.09.03

廃炉について  

ひさしぶりに朝日新聞の「GLOBE」からネタを探してきました。

ちょっと古いのですが7月21日号からです。

原発の廃炉についてです。

 

欧米では原発が次々に廃炉になっている。

老朽化や安全性への不安、脱原発、価格競争など理由はさまざまだ。

 

現在の「世界の原発」の状況は

発電量が1万kW以上の原発が583

その内、運転中は434

149基が運転停止

 

廃炉準備中が28

廃炉作業中が100

廃炉完了が21

 

旧ソ連型の原子炉は黒鉛減速軽水冷却沸騰水型炉と言って、

核分裂に伴って出る中性子を減速するのに世界的に使われている水ではなく

黒鉛(炭素)を使う旧ソ連が独自に開発したものは

チェルノブイリの問題とおなじ問題を抱えているので

旧ソ連から独立した各国がEU加盟の際に

旧ソ連型の原子炉の廃炉を加盟条件とされて廃炉作業に入っているのが多い。

 

また、米国エネルギー情報局の試算では

発電所を新設した場合

1000Whあたりの発電所コストは

原発では108.4ドル

石炭火力発電所では100.1ドル

天然ガス利用の火力発電所では65.6ドル

という試算が出されていて

今、米国では原発の電力はコストが高くて売れない状況にある。

 

廃炉するにしても

原発の廃炉には相当な費用と時間がかかる

火力発電所の解体とはわけが違う

 

使用済みの核燃料の処理方法は世界的に確立されていない

現在では、一般の家庭ゴミと同じに地中に埋めるしか方法がない

それも300メートルも深くほった地中の倉庫にガラスに封じ込めてしまっておく

放射能の発生を考慮すれば数百年単位で監視しなければならない

 

米国では原子力規制委員会(NRC)では運転停止から60年以内に

廃炉、解体して更地に戻せば良いとしているので

原発業者は運転停止してもスグには解体しない

時間が経てば放射能レベルが落ちて、技術も進歩するから

先に行けば廃炉コストがさがると踏んでいる

 

これって、どうなの?

 

中部電力では浜岡原発は老朽化した1号、2号の原発の

廃炉にかかる費用を841億円と試算している

 

老朽化については

政府はこれまで「安全性を確認できれば60年運転しても健全性を確保できる」

としてきたが、福島第1原発の事故を受けて改正法で「原則40年」とした

 

また、福島第一原発の14号機の廃炉にかかる費用を

政府の第三者委員会は11510億円と試算したが

15兆円位かかるとした民間シンクタンクもある

 

事実、スリーマイルもチェルノブイリも溶け落ちた(メルトダウンした)核燃料は

取り出せていない

とる出す方法が無いのだ

なにしろ、チェルノブイリでは事故から27年たった今でも

人が近づけば即死するレベルの放射能が出ているのだから・・

 

福島の廃炉費用の試算は1兆円程度ではすまないだろうと

私は思う

 

電力会社は原発の電気は安い

再生利用可能電力や石炭、ガス利用の火力発電や水力発電より

ズット安いと言っているが

国が出す地元への助成金や廃炉からの費用や使用済み核燃料の保管や

そのたもろもろ色々なものを除外して算出している

 

東電は福島の核燃料の取出しを20202021年ころと発表しているが

全く根拠はないような気がする

 

一般的な原発(110万kW)を廃炉にした場合、

53万トン以上の廃棄物が出る

その93%は放射性廃棄物ではない

5%は放射性廃棄物として扱う必要のない廃棄物(クリアランス廃棄物)

(これって、なんか眉唾な感じがするでしょ)

2%が低レベルの放射性廃棄物

2%の内訳は

放射性レベルの比較的高い制御棒や炉内部品

放射性レベルの比較的低い水やフィルター

放射性レベルの極めて低い建屋のコンクリートや金属

と分けるのだそうですが

福島では冷却水が海にあふれ出して大騒ぎになっていますが

それが「放射性レベルの比較的低い」に分類されるわけです

なんだかなあ?

 

こんなに悩ましい問題を「原発」はかかえているのに

原爆被害の唯一の国なのに

そして原発事故も起こしているのに

それでも、まだ、原発を再開して

原発を海外に売り込もうとしているのは

私にはどうしてもわからない

 

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