芹澤 覚|会長 2013.07.10
外装検査の第4弾です。
バルコニー防水です。
バルコニーの防水は昨今ではFRP防水が主流のようです。
イッパツ施工で済みますし、FRPは硬くなるので施工後の養生が楽です。
また、新しいものではステンレス板金のバルコニー防水も出てきています。
しかし、芹工務店では旧来のシート防水です。
シート防水は雨漏り対策上工事の早い段階で施工します。
足場が取れてからシート防水の保護のために3~6センチの厚さで
モルタル塗りをします。
シート防水の弱点は柔らかいのでキズ付きやすいということです。
ですから、工事中はシート防水の養生に細心の注意が必要です。
しかし、保護モルタルを塗ってしまえば、キズや日射(紫外線などの太陽光線はイロイロなものに対する劣化作用はカナリ強いものがあります。)から完全に守ってくれます。
ですから、工事後の早い段階での雨漏りさえなければ、長期経過後の自然劣化による雨漏りは無いと考えています。
対してFRP防水は露出しているので日射を受けて硬化を起こし劣化します。
ボートなどのFRP製品が白くボロボロになっているのがそうです。
ですからFRP防水は7~8年経つと表面の塗装を塗りなおす必要があります。
ステンレス板金の防水は耐久性は高いのですが価格も高く、小さなバルコニーでも排水溝を作ったり、梁を欠き込むなどの手間がかかるのがネックとなります。
メンテナンスのホボ不要なところから芹工務店ではシート防水を標準としています。
そして、芹工務店では防水の範囲を広く取っています。
バルコニーの室内側の壁は床から50センチまでシートを張り上げます。
手摺の付く腰壁側はバルコニー内側から天端を乗り越して外側まで垂れ下げます。
垂れ下げシート防水の下に透湿防水シートを差込みます。
笠木の付く天端からの雨漏りを防ぐためです。
上向きに平らなところを透湿防水シートだけでは、
不安で気持ち悪くて嫌です。
FRP防水でもシート防水でもステンレス防水でも、一般的にはバルコニーの床から
30センチくらいまでしか防水しません。
その上は水切りで区切って普通に外壁のサイデンイグや塗り壁の仕様(たぶん、透湿防水シート)で仕上げます。
費用の関係ですネ。
また、防水は役物(コーナー、曲がり部、開口周り、壁との取り合い)が一番、注意するべき箇所です。
その部分についても、芹工務店は独自の施工要領を決めて励行しています。
シートの折り曲げ順まで決めています。
平らな広いところより細かいところが大事なのです。
<バルコニ手摺の内側は天端から外側まで張り上げる(水切りで止めない)>
<外側まで張りまわした様子(シート防水の下に外壁の透湿防水シートを差込みます。)>