株式会社芹工務店
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リフォーム日記 2015.07.03

シューズクローゼットの靴に発生するカビ

梅雨ですね。梅雨といえばカビ!
今回はカビの発生を防ぐ住まい方についてお知らせいたします。

築4年目のオーナー様から『シューズクローゼット内の靴にカビが発生している』とのお話を受けて
温度や湿度の測定など、色々調べてみました。
ちょうど良い機会ですから「カビの発生メカニズム」についても調べてみました。

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◇ カビの発生条件
カビは微生物の一種で真菌と呼ばれ、常に私達の周囲の空気中を漂っています。
カビ菌(胞子)は、空気中に漂いながら壁や衣服、クツなどに付着し、適当な水分や温度条件が揃うと
出芽し始め菌糸を伸ばして成長しますが、私た
ちは出芽した胞子を見てカビだと認識するわけです。
カビの繁殖条件に必要なのは温度、湿度、空気(酸素)と養分です。

(温度)
カビが成長しやすいのは20℃~30℃です。特に25℃前後で活発に成長します。
但し30℃以上になると成長は衰え始め36℃以上では活動がほとんど停止します。
ちょうど、人間が快適な温度と重なりますね。

(湿度)
空気中の水分が多いほどカビには好条件で、湿度70~99%の状態がもっとも生育しやすい環境と言えます。
特に80%以上になると繁殖は盛んになります。ただし、空気中の水分が飽和状態になって結露して水滴がたっぷりついている部分(水の中)にはカビ菌が付着しても、水の中では酸素を利用することが出来ないため生育することはありません。

(カビは呼吸、発酵に酸素が必要)
一般的には梅雨時などの湿気が多い時期にカビの発生が高いことになります。 また、カビは紫外線に弱く、直射日光が当たる場所ではうまく生育できませんから「カビは日影やジメジメした北側に多く発生する。」ということになります。 

(空気・酸素と養分
カビは植物に属しても、葉緑体を持っていないので光合成ができませんから、カビ自身の成長のためには酸素と栄養源となる有機物質(タンパク質や炭水化物、アミノ酸、脂肪など)を必要とします。
自然、人工のものを問わず、すべての有機物質が「養分」になると考えて良いでしょう。
チリ、ホコリ、あか、石けん水の残りカスなど人間が使うほとんどすべての物質、さらに廃棄物も含めて「養分」になります。
菌糸を素材内部に伸ばすのは素材から「養分」吸収するためです。

◇ カビの除去方法
カビの発生条件の内「温度」「酸素と養分」を制御するのは難しいでしょう。寒いのは嫌ですし、酸素は不可欠ですし、養分はそこら中に存在します。
湿度管理が「カビ対策」に大きな役割を果たします。室内温度を65%(RH)以下にするとカビの発生はほとんど抑えられます。
洗濯物の室内干し、石油ストーブなどの燃焼系の暖房器具、ストーブの上のやかん・・は水分を沢山発生させますから室内の湿度を上げる大きな要因です。
空気を停滞させないで換気を心がけましょう。24時間換気システムは有効な手段です。扇風機やサーキュレーターで室内の空気をかき回すのも良い方法です。温度湿度計を置いて常にチェックしましょう。

シュークローゼットは靴に付着したカビの胞子やその他の雑菌をダイレクトに持ち込む場所ですからきちんと対策しましょう。


・ 履いた靴はすぐにしまわない
・ 履いた靴は汚れを落し、しっかりと湿気をとる
・ 靴に除湿剤や新聞紙をつめて湿気をとる

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オーナー様宅もシュークローゼットの壁面などにカビは見られず、靴にだけカビが発生するとの事です。
測定結果でもシュークローゼット内は特段、カビが発生しやすい湿度の状況ではありませんでした。
履いた後の靴のメンテナンスに注意すればカビ発生も抑えられることでしょう。




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