芹澤 覚|会長 2014.08.07
床暖房は今ブームのようです。
なぜブームなのでしょうか?
それは日本の住宅の床が冷たいからです?
昔の住宅の居室はタタミでしたからあまり床の冷たさを感じませんでした。
でも、板の間の台所や廊下などはとんでもなく冷たっかったのです
現在ではタタミの部屋が無くなってフローリングばかりになっています。
どの部屋も廊下みたいなものです。
ということで、日本の住宅で「なぜ床が冷たいのか?」を検証してみましょう。
まず1番目は、「窓の性能が悪いから。」です。
窓の性能が悪いと窓のそばは「ひやっと感」がします。
コレを「冷輻射」といいます。
焚き火のそばに行くと焚き火に向いた面は暖かく感じるのに背中は冷たいという経験があるでしょうがこの暖かく感じるのが「輻射熱」です。
反対に、冷たいものに面すると「ひやっと感」がすることを「冷輻射」と言います。
窓の断熱性能が良くなれば窓面が冷たくならないので「冷輻射」は無くなります。
このシリーズの前の方でも取り上げましたが
窓の断熱性能が悪いと「冷輻射」だけでなく、窓際で冷やされた空気は重たくなって
床に溜まります。
ということで室内が上は暖かいのにしたは冷たいという現象になるわけです。
それは結露を引き起こしカビの原因にもなるわけです。
「なぜ床が冷たいのか?」のかの2番目の理由は「住宅の気密性能が悪い」からです。
室内で暖められた空気は膨張することで軽くなり上に上がってゆき、気密の悪い部屋から
どんどん抜けてゆきます。
抜けた空気の補充のために床下や外から冷たい空気が侵入してきます。
侵入してきた冷たい空気は床に溜まります。
皮肉なことに暖房を強くするほど冷気の侵入も激しくなるわけです。
この結果、床は冷たくなるわけです。
3番目は「合板フローリング」です。
表面を樹脂塗装した「合板フローリング」の熱伝導率はおそらく0.2W/㎡
それに対して「ムクフローリング」の熱伝導率は0.12 W/㎡です。
「合板フローリング」のほうが「ムクフローリング」よりズット、熱が逃げてゆく割合が高いということです。
また、樹脂塗装した「合板フローリング」は表面が平滑ですから
足裏の全面にピッタリとくっつくのに比べて
「ムクフローリング」の浸透性植物塗装では木目などの表面の細かなデコボコが
足裏との間に適度に空間ができるのでベタベタ感もひやっと感も薄まるわけです。
もう一つは「床下の通気が床を冷やす」です。
従来の日本の住宅の床は湿気を防ぐために
昔は基礎などがなく束だけで床下を構成して床下の風の通りを良くしてありました。
時代劇で忍者が忍び込みやすくなっていましたね。
最近でも基礎に風窓を開けたり、基礎パッキンを使ったりして
床下の通気を積極的に取り入れていました。
つまり、冬場にはフローリングのしたは直接外気だったわけです。
0℃前後の空気がフローリングに直接触れたら冷たくないわけがないでしょう。
十分な厚みのしっかりした断熱材がフローリングに下に必要なわけです。
芹工務店の床下の工法は基礎をシッカリ閉じて外気を入れないで断熱を完成させる工法です。
なおかつ、一年中、室内の空気が床下に循環する形にしていますから床下も室内と同じ温度でいるので芹工務店の床は冷たくないのです。