芹澤 覚|会長 2014.08.06
ケイソウドの除湿性能は除湿機やエアコンに比べたら微々たるものです。
基本的には水分を吸い続けてどこかに排水するわけではないわけですから
ケイソウドやシックイなどの塗り壁の吸湿性能には限界があるわけです。
東京の7月の絶対湿度は15.3g/Kgですが
(出ましたね。絶対湿度!!前に説明してありますから復習してくださいね。)
それに対して室内環境の理想的な絶対湿度は13g/Kgだそうです。
仮に梅雨の期間(約43日間)ずっと快適な湿度を保とうとすると
35坪程度の住宅でも370Kg(370リットル)もの水分を除湿しなければなりません。
家全体の壁がケイソウド塗り壁だとしておよそ250㎡の塗り壁があったとしても
壁1㎡あたり約1.5kgの水分を除湿しなければなりません。
1.5Kgの水を1㎡の広さのバケツに入れると1.5ミリの深さになります。
ケイソウド塗り壁は薄塗り工法では3ミリくらいしか厚みがありませんから
どんな状態になるかは想像できますね。
ビショビショの水浸し状態まちがいなしです。
そもそも、ケイソウドメーカーのカタログにはほとんどの場合、除湿量などは記載がありませんが、まれに記載された資料では150g/㎡だそうです。
必要除湿量の1/10でしかないのです。
つまりケイソウドなどの塗り壁だけでは除湿はとても無理だということです。
前号で説明したようにエアコンで常時運転して除湿するのが一番有効な方法なのです。
何度も言いますが、高断熱・高気密の住宅にして梅雨の期間、ズット、エアコンを回しっぱなしにするのが一番経済的なのです。